【ソニー VlogCam】ZV-E1/E1L 登場 予約販売スタート
先日ソニーが発表したVlogCam【ZV-E1】。
ボディのみで\328,900(税込)、レンズキット\361,900(税込)で登場いたしました。
ソニーストアにて、予約販売がスタートしております。
何故、こんなにも高額な商品なのか。
どのような機能が備わると、こうした金額になるのか。
この商品にそれだけの価値があるのか。
カメラに関しては、新しい商品の導入スピードが速く、購入にかんしての検討が追い付かないという相談を受けることもあります。
このVlogCamも、この名前とともに「いつの間にか成立していた感のあるカテゴリー」であり、これら商品群(VlogCam)がカメラ全体のカテゴリーにおいてどのように位置付けられるのか、これを理解した上で、今回の新商品「ZV-E1」の特徴を捉えていく必要があるでしょう。
今回は、そうした問題感覚に応える内容を記事にしたいとおもいます。
まず何よりも、カメラという技術の全体が、ぼくたち生活者側の生活にどのようにかかわってきたのか、そしてその関わりがどのように変化してきたのか、そのトータル状況・ダイナミズムをおさえておく必要があります。
カメラは、以前までは、カムコーダー(ビデオカメラ)にせよ、フィルムカメラやデジタルカメラにせよ、今ほど手軽なものではありませんでした。カメラを趣味とする人たち、家族の記念を撮り収めておきたいと願うひとたちが、自分と自分の周囲のヒトたち、言い換えれば、自分の目の届くひとたちのために、撮影を行いここで完結する、というものでした。
しかし、インターネットの普遍化と携帯電話、とくにスマートホンの登場など、周辺技術の革新が、これらの状況を一変させます。言い換えれば、カメラを用いた新しい文化や意味が創造されました。
ブログやSNSなどの登場です。
「自分の得意とする情報を発信する」ことで、自らを中心とするコミュニティが形成され、そのコミュニティが広告収入など副次的な収入源となる、ひとつの社会システムが形成されました。
文字だけでは内容を周辺に訴えることが難しく、静止画を撮ってアップロードする、その方法としてデジタルカメラがおおいに役立つ必須の技術となりました。デジカメが隆盛したのは、この観点から必然であった、ともいえる。ブログやSNSという新しい欲求にこたえるものであった、と捉えられます。
また、カメラ機能をビルトインするスマートホンの普及が、SNSとの親和性を高め高度化していくことによって、「自分の得意とする情報を発信する」だけでなく、「自分のことを発信する」というものに文化・意味変容していった傾向を見逃してはなりません。このメディアの普遍化を媒介として、さらに文化・意味が変容していったのです。
次にここで、SNSやスマートホンの普及と並行する形で、TouTubeが隆盛を極めます。
動画コンテンツを掲載することで、そこに不特定多数の、それらコンテンツに関心をもつコミュニティが形成されます。忘れてはならないのは、こうしたコミュニティ形成によって広告収入が得られる可能性がある、というブログ時代から貫かれるこの収益意識がある点です。これらは、これまで静止画にウェイトの高かった技術が動画にシフトしていくこと、を容易に予測させました。
こうした動画要請に応えるものとして用いられたものが、すでにみなさまがお持ちであったスマートホンやデジタルカメラでした。動画を撮影する方法は、すでにスマートホンに基礎機能として備わっているほか、デジタルカメラにおいてもデフォルトでビルトインされており、これら既存ツールを用いて動画コンテンツをクリエイトするという状況が続きました。視聴者数を獲得するために、より高度なカメラ・機材、カメラ性能のよいスマートホンを用意する必要があると考えるクリエイターも出てきました。
一方、YouTubeというプラットフォームの中で、さまざまなコンテンツが生成され、視聴者数を増やすためにコンテンツ間の競争が激化するなか、これに有効な「ビデオブログ」という新しい手法が登場いたします。つまり、「Vlog」です。「文章で表現するブログの動画版」です。
こうしたVLOGという新しい文化に対して、一石を投じたのが「VlogCam」なのです。
つまり、自分の好きなことを動画で表現したい、それらを仲間と共有したい、できるなら副収入につなげたい、あるいはそれで生計を立てたい、これらの欲求・ニーズに向けたものが「VlogCam」である、と位置付けることができるのです。
そしてすでに、VlogCamは、ソニーとしては3機種投入されています。
当初、投入されたのは、VlogCamカテゴリーの生成期にあたるため、コンパクトデジカメの延長として、「ZV-1」「ZV-1G」が投入されました。
動画撮影が主となるVlogにおいて、一眼カメラの醍醐味でもあるF値やシャッタースピード、明るさなどの細かい設定は、必要ではあるが、わずらわしい作業となることに注目し、ボタン一つで切り替えることができる機能などを備えます。つまり、ありていにいえば、操作のしやすいカメラとして、登場いたしました。
次に、広角単焦点レンズを内蔵させたものが登場いたします。
これは、Vlogの手法が、自撮り中心となることからカメラとの距離が近くならざるをえず、自分が画角に入らない望遠レンズでははなく広角レンズを装着させた方が、そもそものVlogコンセプトを達成できると考えられたからです。もちろん、動画撮影が主となりますから、カメラの操作性もZV-1を引き継ぎます。
その後、レンズ交換タイプ「ZV-E10L」が登場いたします。
この特徴は、画像を創りだすセンサー部にAPS-Cセンサーを搭載し、かつレンズ交換式にした点です。ここへ来て、ソニーが現在もっとも得意とする分野のひとつ、デジタル一眼カメラの標準機、α6000シリーズの主たる機能を取り入れて登場してきました。くどいようですが、当然、動画撮影が主となりますので、操作性もこれまでのZV-1を引き継ぐことになります。
そして、今回登場のレンズ交換タイプの高性能VLOGCAM「ZV-E1」です。
これまでのVlogCam3機種が、初心者寄りのモデルであったのに対して、今回登場する「ZV-E1」はハイアマチュアをターゲットとしたVlogCamになります。プロ向けの動画機能を搭載しながら、簡単な操作性を維持。動画撮影時に生じるさまざまな課題を克服する機能を内蔵しての登場となります。
・35mmフルサイズ裏面照射型センサーならではのボケ表現を実現
・有効画素数1210万画素
・BIONZ XRの圧倒的処理能力による高画質化
・背景ぼけ切り換えをON/OFFで(F値操作しなくてもOK)
・映画のワンシーンのような画作りを直感的に一括設定「シネマティックVlog設定」
・タッチパネル上でのタッチ操作で、明るさや色合い、背景ぼかしなどを簡単設定
・手ブレ補正を従来比で約30%向上させる「ダイナミックアクティブモード」
・動画撮影時の課題となる安定した構図、これに役立つ「フレーミング補正」
・カメラが三脚上で固定されていてもカメラマンがいるようなカメラワークが可能となる「オートフレーミング」
・複数人が画面に登場した際に、ピントが合う「複数人顔認識」
などなどなど、今回は、動画撮影ならではで生じる課題に接近する機能が多数搭載されてきました。
(詳細は、上記画像をクリックしてみてください)
言い換えれば、動画ならではの問題に接近することによって、これらを克服する技術を生み出し、「αブランド」に再びビルトインするということに挑戦した内容となっている、というわけです。
今回は、カメラ、ビデオカメラの歴史にふれつつ、VlogCamが必要とされるにいたるダイナミズムに接近しながら、このVlogCamカテゴリーの全体と今回登場の「ZV-E1」を紹介させていただきました。ご購入、検討していただければ幸いです。
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